2021.9.7
ペキニエマニュファクチュールを知ろう!(生い立ち)
皆さんお久しぶりです。
コロナ禍での生活も皆さん慣れてきた頃でしょうか?
今回はペキニエマニュファクチュールの出来た軌跡についてご紹介しようと思います。
ご存知ない方もいるかと思いますので、簡単にペキニエをご紹介します。
ペキニエはフランス東部のスイス国境近くにモルトーにある時計メーカー。この辺りは宗教戦争(1600年代)でパリから逃れてきた時計師たちによる「時計作りの街」の歴史が有り1970年代にクオーツ時計の台頭まで機械式時計を製造していたが、その後、産業自体が衰退しています。しかし’73年にエミール ペキニエ氏がこの地にモントレ ペキニエ社を創立し、各種ジュエリーウォッチなどを製造していたメーカーです。
遡ること当店の1990年代はゼニスが絶好調時代でした。当時は日本で一番売っただかなんだか・・・良くうちの社長が言ってました。当時のゼニスの記憶がある方も多いのではないでしょうか?(昔は安かったな〜😱とか?)
皆さんこのモデルは覚えていますか?
ゼニス エルプリメロ!
これは当店でも売れていましたね〜この手巻きのCal.240とかいい雰囲気醸し出していました🤟🏼
懐かしいですね〜フライバックとかレインボーのやつとかね😁
その当時のゼニスのムーブメント開発に関わっていたマーケティング責任者がこの方😎
ディディエ・レイブングット氏
まさにゼニスのエルプリメロの復権を担った人物と言えるでしょう🤗
このレイブングッド氏はゼニスで大きな成功を収めその後、ゼニスを退職後『フランスのマニュファクチュールを再興』という構想の元、2009年にペキニエを買い取る訳ですが(レイブングッド氏はなんと出身もペキニエの工場のあるフランス、モルトー出身)そこで技術者のユイバントランさんと出会うことでセンターシャフトドライブの構想を具現化することに成功しました。
ここで突如、登場したユイバントランさんでしたが、この方(この当時ペキニエの社員さん)
筆者が知る限りですが、ユイバントランさんはラショードフォンのムーブメント開発会社に在籍していてその昔は、皆さんご存知の◯ネライの◯デイズアッチャイオとか、◯ンゲアンド◯ーネの◯ーティーワン、の有名なモデルのムーブメントの制作チームの責任者だったそうなのです。これだけのムーブを作る経験を考えるとロングパワーリザーブの制作に精通していることが考えられます。
ゼニスのエルプリメロと言えば振動数がハイビートで高精度をを維持するムーブメントで有名ですが。そこがゼニスに付加価値を出させた訳ですが、レイブングッド氏は、今度はペキニエではロービートで高精度を叩き出すムーブメントEPM01を製作することでペキニエ社としてマニュファクチュールを完成し、かつ付加価値を出せたと考えます。
ペキニエのセンターシャフトドライブの構想は香箱と一番車が別体式(ここを繋ぐのが“シャフト”⇒回転エネルギーの軸伝導「世界初!」)のため、車関係の輪列のの設計を変えずにビッグトルクを出す事が出来たため、香箱のサイズを大きくすることが可能になり結果的に一個の香箱で88時間パワーリザーブも確保することが可能になりました。(あくまでも実用域のパワーリザーブ時間にこだわった)
つまりこの二人(レイブングッド氏とユイバントラン氏)が出会うことで二人の経験値がこのムーブメントの構想が出来上がったと言えると思うのです。
こんな事大きな声では言えないですが、規模の大きくない時計ブランドが自社ムーブを作ったと聞いてまともに自社ムーブを作れるところなんて・・・・といつも考えている筆者としてはペキニエのEPM01はとてもロマンが溢れるムーブメントの成り立ち秘話だなと感じました。
筆者はこのフランスらしいこのナルシスト感も堪らないです。まだペキニエを知らない方もいらっしゃると思いますがロマン溢れるブランドですので是非ブランド一覧をお覗き下さい!